2013-03-18

「都市計画区域」、ざっくり。

つづきです。

都市計画法の冒頭には、「都市計画の内容」及び「その決定手続」、「都市計画制限」、「都市計画事業」その他「都市計画に関し必要な事項」を定める、とあります。(都市計画法第一条)

また、都市計画とは、「都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため」に、大きく以下の3つが、第二章「都市計画」の規定に従ってが定めらたものと。(都市計画法第二条)
  • 土地利用
  • 都市施設の整備
  • 市街地開発事業

ところで、「都市計画区域内で云々」、とかっていう条文、よくみかけますよね。

たとえば、通称「4号建物(建築基準法第6条第1項4号)」。
四  前三号に掲げる建築物を除くほか、都市計画区域若しくは準都市計画区域いずれも都道府県知事が都道府県都市計画審議会の意見を聴いて指定する区域を除く。)若しくは景観法 (平成十六年法律第百十号)第七十四条第一項 の準景観地区(市町村長が指定する区域を除く。)内又は都道府県知事が関係市町村の意見を聴いてその区域の全部若しくは一部について指定する区域内における建築物
この4号建物については、勉強始めたころは最初は「???」だと思いますが、とりあえず都会ではほとんどの建物が該当しますよね。


あれッ?
ていうか、確認申請要らない建物ってあるの?

4号建物は、構造計算も?要らないの???
あれれ?

っていうのが、私の最初のころの理解度。
まるで実務なかったので、あほむき出しです(ほんまあほやったなぁ←遠い目)。

話は戻しまして。

この頻出の、「都市計画区域」。
(と、たまに「準都市計画区域」。)

この二つが制定されるに至った経緯については、Web講義へ。
(某ガス会社のCM?笑)


都市計画法については、ほぼ、この「都市計画区域」について云々が多いわけですが、各定義を読んでみると、こんな感じ。一部のみ抜粋。
都市計画区域
第五条  都道府県は、市又は人口、就業者数その他の事項が政令で定める要件に該当する町村の中心の市街地を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに人口、土地利用、交通量その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、一体の都市として総合的に整備し、開発し、及び保全する必要がある区域を都市計画区域として指定するものとする。この場合において、必要があるときは、当該市町村の区域外にわたり、都市計画区域を指定することができる。
準都市計画区域
第五条の二  都道府県は、都市計画区域外の区域のうち、相当数の建築物その他の工作物(以下「建築物等」という。)の建築若しくは建設又はこれらの敷地の造成が現に行われ、又は行われると見込まれる区域を含み、かつ、自然的及び社会的条件並びに農業振興地域の整備に関する法律(昭和四十四年法律第五十八号)その他の法令による土地利用の規制の状況その他国土交通省令で定める事項に関する現況及び推移を勘案して、そのまま土地利用を整序し、又は環境を保全するための措置を講ずることなく放置すれば、将来における一体の都市としての整備、開発及び保全に支障が生じるおそれがあると認められる一定の区域を、準都市計画区域として指定することができる。

比べてみるとわかるのですが、都市計画区域の方は、積極的に人が住んだり活動する環境を整えよう、という具合。
それを都道府県が、がんばって指定すると。

これまで書いてきたように、国内には、都市以外に農地や林業用地、自然公園なんかがあるわけで、それぞれの土地に適した使い方をしようというわけなので、各々がぐちゃぐちゃと入り組んでしまっては困るわけです。


たとえば、家の窓の隣が畑で、春になったら除草剤をまくと。
洗濯物にも、なにもかも、風に流れてきて・・・とか。

山奥にぽつんと住んでる人のために、延々と水道引かないといけないとか。
小さな集落のために、財政はどうなのか、税金をはたくのかとか。

過疎化で、老朽化した水道管のやりかえする財政がないとか・・・
でも、水道をとめるわけにもいかないとか・・・


ゴマンとありますね、こうゆう話。
そういったことが、トラブルとしても津々浦々起きてる。

だから、都市は都市、農地は農地、林業やるとこはここ、ってことで、指定するわけです。



だから、都道府県とか一部の市町村とか、そうゆう大きなくくり。

もちろん、二以上にまたがることもあるし、東京都のように23区内でもさらに細分化されて指定されてるエリアもあると思います。

てか、23区内は、ほとんど都市計画区域だと思いますが、皇居とか公園とかは外れてるのかな・・・
千代田区の都市計画図を見たことがないので、わからないですが。



ま、ともかくそんな具合で。
ここは都市計画区域で、その範囲内だったら人が住んだり社会的活動がしやすいような環境を、積極的に用意しますよと、というエリアを、都道府県なり一部の市町村なりが指定すると。

建築基準法でも頻出の「都市計画区域」って、そんな感じのエリアなんです。



一方、「準」の方は、まぁ、放っておいたらがちゃがちゃになりそうねーっていう地域に、先手を打っておこうと。

むしろ、都市計画法的には、あんまりその地域で生活したり、活動しないでねーっていう感じかと思います。



あと、ちょと長くなりますが、この辺りは基本的なことなので、もう少し。

建築基準法では、具体的に第三章の冒頭。
第三章 都市計画区域等における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途
第一節 総則
適用区域
第四十一条の二  この章(第八節を除く。)の規定は、都市計画区域及び準都市計画区域内に限り、適用する。
★余談ですが。
ここがですね、すっかりアタマから抜けてると、試験的にも痛い目に遭いますね。
適用区域なり適用範囲なり。

焦って問題解いてると、すっかり忘れちゃうんですが。
大事です。
この条。笑



話戻しまして。
先の第41条の2で除外されている、第三章 第八節
こんな感じ。 
第八節 都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物の敷地及び構造
都市計画区域及び準都市計画区域以外の区域内の建築物に係る制限
第六十八条の九  第六条第一項第四号の規定に基づき、都道府県知事が関係市町村の意見を聴いて指定する区域内においては、地方公共団体は、当該区域内における土地利用の状況等を考慮し、適正かつ合理的な土地利用を図るため必要と認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物又はその敷地と道路との関係、建築物の容積率、建築物の高さその他の建築物の敷地又は構造に関して必要な制限を定めることができる
 景観法第七十四条第一項 の準景観地区内においては、市町村は、良好な景観の保全を図るため必要があると認めるときは、政令で定める基準に従い、条例で、建築物の高さ、壁面の位置その他の建築物の構造又は敷地に関して必要な制限を定めることができる
いやですねー
この、「及び」がかかる単語を間違えると、全然違う話に。

要約すると、【「都市計画区域」でも「準都市計画区域」でもない区域】についての規定です。すなわち、農地だったり、林業用地だったり、自然公園とか。
Web講義の図で、位置確認してくださいね。

ここでよく出題されるのが、地方公共団体が、条例で、必要な制限を定められる、ということ。

誰が、どこで、なにを、どうするのか。

市町村とか、地方公共団体とか、建築基準法内でもいろいろ書き方があるので、混乱するかもしれませんが、知りたければ総務省のサイト、地方公共団体の区分
(要らん、こんな知識。)


で。
令136条の2の9の基準に従って、必要な制限が決められると。

これがまたねぇ、どこに書いてあるか探せない条文リストに、個人的に推薦したい。

ま、あえて、出題側としても、さがせなさそうなところを狙って出題するわけですが。笑


全体の構成から言って、問題文をよく読む。
先のWeb講義の図でどこの話をしているのか、をイメージする。

あー
どっかだったんだけど・・・
(そりゃそうだ。)

こうゆうときは、「あきらめて目次をひらく」

全体の体系がわかっていると、とても探しやすい。

少なくとも、章のタイトルを見ただけでも、なんとなく第三章かな?って?
え?
だめ?

この辺りもたまに出題があるので、この第八節、というか第68条の9も、侮れないですね。



以上、ざっくり、都市計画区域について、でした。
国土交通省のサイトでは、こんな感じの説明

ようやく、都市計画の内容の話に・・・

つづきます。

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