2011-12-12

力学-層間変位

力学後半の講習会まとめ、その第一弾。
あっちとこっちがつながってくると力学も面白い、という内容でいけたらと思いますが。
ちなみに構造は下手の横好き(どうでもいい)。



お題は、層間変位。



さて。
まずは、例によって道草。


崩壊荷重の時に出てくる、変位量の公式です。
変位量δ=tanθ・h ≒ θ・h
変位量が高さに比べて少ないので、タンジェントはθに近似ですよ、って習うやつです。


ふぅん?
層間変位の話題なのに、崩壊荷重の公式?


続けます。
この式を使って、崩壊荷重を計算するとき、以下のように計算しますよね。
外力のする仕事量(外力×変位量)=内力のする仕事量(モーメント×回転角)
もう、ある意味崩壊荷重計算的には、耳たこな内容です。
だから公式なんですけど。笑




ふぅん?
それで、層間変位との関係は?


ここで、突然ですが、基準法令の登場。


えぇ?
いきなり法規ですか!?
って?

えぇ。
これです、これ。


(層間変形角)
第82条の2
建築物の地上部分については、第条88第1項に規定する地震力(以下この款において「地震力」という。)によつて各階に生ずる水平方向の層間変位を国土交通大臣が定める方法により計算し、当該層間変位の当該各階の高さに対する割合(第82条の6第2号イ及び第109条の2の2において「層間変形角」という。)が1/200(地震力による構造耐力上主要な部分の変形によつて建築物の部分に著しい損傷が生ずるおそれのない場合にあつては、1/120)以内であることを確かめなければならない。


この条文のいわんとしてることを解釈すると。

1 地震力(水平力)によって、各階に生ずる水平方向の層間変位(δ)を計算しなさい。

2 層間変位の各階の高さに対する割合(層間変形角θ)が、1/200以内であることを確かめなさい。



あ。
「国交省大臣が定める方法」は調べてませんが、力学ネタなんで今は略。笑



が。
どうです?

一級建築士の構造力学試験問題的に、ちょっとつながりません?


ほら、さっきの公式、『変位量δ=tanθ・h ≒ θ・h』が使えそうじゃないですか。
各階に生じる層間変形角≒各階に生じる水平方向の層間変位(量)÷各階の高さ

θ≒δ÷h
ぱちぱちぱちぱち!





じゃ、次。

一級建築士の構造力学試験問題的に言って(しつこい)、
この変位量(δ)もしくは層間変位って、どうやって計算すんのよ?と。



層間変位の公式だと・・・
変位量(δ)=水平力Q÷剛性K

(力学計算時の)たわみの公式では以下。単純梁の場合ですね。
変位量(δ)={水平力P×(高さh)^3}÷{3×ヤング係数E×断面二次モーメントI}
水平力については、PでもQでもいいですが、この剛性K=3EI/h^3は固有周期の計算時でもよく出てきますよねーーー




まとめると。
水平力がかかった時の水平変位を知るためには。

・各階の高さ
・ヤング係数(応力度÷ひずみ)
・断面二次モーメント(部材の変形しにくさ)

以上のような、部材に関する情報があれば、OKと。


もちろん、柱の拘束条件や、串型(1本柱)か門型ラーメン(2本柱)かなどで、数値も多少変わってきますけど。




そうするとですよ。

(きっともうちょっと、いや相当がんばれば、)
建築基準法施行令弟82条の2に書かれている、『各階の水平方向に生ずる層間変形位』や『層間変形の各階高さに対する割合=層間変形角』の計算ができてしまう!と。

まぁ素敵!笑





どうです?
いろんな公式がつながりました?



うーん。
まとめてみると意外と説明がわかりづらいかもしれませんね。

まぁ、自己満足のレベルですが・・・笑

ちなみに。
後半の固有周期とか剛性辺りの話は、合格物語のWeb講義にも出てました!というオチでした。笑

0 件のコメント:

コメントを投稿