2018-12-29

H30年製図課題における「歩行者専用道路」

ついったーでやりとりさせてもらってる某さんから、SOSを頂きました。
質問の意訳が以下。
(H30年の製図試験において)気になったのが高さの部分です。
 ~中略~
「歩行者専用道路」
というのが道路なのか歩道なのか、はたまた歩道は道路なのか?わかりませんでした。
おっ。
私、まだ課題文もちゃんとまともに見てないのですが。。。
なんか聞く人間違えてない。。。!?爆


1. 製図試験において、『答え』を誰かに教えてもらうことほど意味のないことはない

こうゆう質問に、どうお答えしようかなと思ったんですが。

前置きとして、資格学校にせよ、ウラ指導みたいな添削サービスを受けるにせよ。
講師でも、受験生同士でも、ツイッターみたいなSNSで返事をもらったりでも、ダレでもなんでもいいんですが。

答え教えてもらって、どうするの?
っていうのが私の答え。

いや、答えを教えてさしあげることは、私にとってはなんてことないことです。
道路ですよ、でもいいし、道路ではありませんよ、でもいいし。

いずれにせよ、そんなことしたって、質問された方のなんの役にも立たないので。。。
道路法を調べれば、歩行者専用道路が道路法の道路に該当するか否か、
またそれが基準法42条一項一号?か二号?の道路に該当するかどうか、わかると思います。
こんな風に、ひとまずお答えしました。



いやね、
だってね、
来年の試験で、「遊歩道」って出たらどうすんねん。

また同じ話やんけ。
試験当日、うわ、これって道路!?
斜線制限かかるの、どうなの???って迷うんかい。
試験終わってから、これって道路ですか?って質問して回るんかい。

えぇ。
過去に「遊歩道」と出た課題があったはずです。
確か、H22年の美術館とH25年の道の駅辺りで、出てませんでしたかね?

特に、H22年の美術館課題のときは、主出入口を遊歩道側にとってもいいのかどうか!?ということで、試験当日受験生が大混乱した、と聞いています。
このエピソードは、製図あるあるで強烈に覚えているわけですが、その年の結果がどうなったかは、守秘義務もありますので慎みます。
(私はその年学科の総合点が4点足りなかったのですが、ウラ指導のユープラ検証会に参加していたので、教えて頂きました。)

製図の過去問については、そうそう追いかけてないので細かいことは忘れました。
気になる方は、過去の課題文のタテヨミするなり、ご自身でお調べくださいませ。



2. 製図試験における、判断の根拠をどこに置くか?

ともかく。
(また脱線した。。。)

これ、「道路です、道路ではありません」って、私が答えを直接お伝えしても、意味ないんですよ。。。
試験当日、誰かがそばにいて、「これは基準法上の道路ですよ!斜線制限気をつけてね!」とか言ってくれるわけじゃないし。。。


製図試験においては、課題文の敷地設定から、自分で道路か否か判断できなければ、意味がない。
(法令集持ち込み不可だし、手元にあったとしてもそんなの調べてるヒマない。)
自分で、課題文読んでその場で判断できない。
=課題文にある敷地条件を正確に読めない
=課題の前提条件が全く変わってきてしまう
=考える必要のないことに気を取られて、時間は飛ぶように過ぎる、以下略。。。

モノゴトの判断基準を、「誰かが言ってた」「こう判断するように教わった」に置いてしまって、その判断根拠や判断基準の背景を知ることなく思考停止することの恐ろしさたるや。

もちろん、資格学校やウラ指導に通う意味って、要領よくそういった製図試験攻略のノウハウを教わることが第一義ですから。
そこを否定するわけでは、まーーーったくなく。


「あの先生がそう言ってた」
先生がそうおっしゃる、その心は?
  1. 法令や学会基準なりの規定から?
  2. 過去の標準解答例から?
  3. 過去受験生の合格図面や合格体験から?
  4. はたまた、先生ご自身の受験指導経験から???

ある情報を、自分のものとして取り込んで、製図試験として図面化なり記述化する時に、その根拠を考えずに鵜呑みにしてしまってはダメだと、何度でも繰り返したいと思いますが。。。
ダレがどう言ったかとか、割とどうでもよくて。
気をつけないと、正確な課題条件読み取りができなくなる、という恐ろしさがあるわけです。

だからこそ、自分でもできる限り必ず調べ直して、自分のものとして取り入れるべき情報の根拠をどこに置くか?に、充分に気をつけないと危ういと。
私は、それを伝えたいのです。



3. 製図試験における、情報の取捨選択

今回、たまたま「道路」の話ですが。
一級建築士になったら、なおさら、自分で調べて対処できないとなると、ほんとに、ほんとに仕事になりません。

確認申請が通らず、計画やり直し。
はい、工期遅れるー
遅延の補償、賠償どうするー
でオシマイ。

いや、多少の赤字で済めばいいけど。。。
実務の責任の重さたるや。
それに比べたら、製図試験は怖い試験だけど、いい制度だと思います。


製図試験の話に戻りまして、もう一度書きますが。
  1. 法令や学会基準などの規定
  2. 過去の標準解答例(=国交省の見解であり、いわゆる製図試験の独自ルールも含まれるw)
  3. 過去の合格図面、合格体験談から憶測
  4. 先生の受験指導経験から憶測

上から、私が思う、この製図試験上の重要度順です。

1は言うまでもなく。
面積表や建築面積、建蔽率のように、間違えると一発でランク4=問題外です、という扱いになる法令もありますので、その辺の温度差は2で判断。

2以降は、私が必ず判断根拠として、調べていたものです。
2、3で聞いて調べて、4で先生にも聞いて。

製図試験として、判断根拠にしてよさそうかどうか、ということは、自分でも必ず調べました。
もちろん全部は無理。
ですが、「やはりココは、製図試験特有の判断根拠として、絶対に外せない」という内容が、往々にしてあるのです。


こんな風に、この試験では、判断根拠がどこにあるか?を、自分でも調べてから自分のものとして取り入れるだけでも、全然違う。
その根拠があやふやで、自分のハラに落ちていない情報ほど、間違い・手戻り・当日の動揺の原因になることはないです。
これは、自分で散々痛い目に遭うまで、なかなかわからないですけども。。。

これだけSNSやブログなど、情報が反乱する中で、なにをどう取捨選択するか。
情報の全てはネット上にあるし、私も含めていろんな人がいろんなことを言うけれども。

試験当日、さぁ、どう判断しますか?
その判断、製図試験として、大丈夫ですか?
これが全て。



4. 結論は、歩行者専用道路は基準法上の道路、なんだけど。

いや、
ここまで読んで頂いてありがとうございます。
先の質問、結論は「道路法上の道路なので、基準法上の道路になります。」です。

まどろっこしい内容だな、おいッ!って思われる方もいらっしゃったかもですが。
このブログでは、学科にせよ、製図にせよ、考え方をお伝えできればと思います。

さて、もう一度、某さんのご質問に戻りまして。
建築の法規専門用語で言い直しますと。
道路斜線制限を確認するための、前提となる「歩行者専用道路」が、基準法上の道路かどうかがわからない。

少なくとも、こういった質問を投げかけてくるということは、法規のどこがわかってないかが、わかりますかね?
  1. 建築基準法における道路ってなんぞや?
  2. 二以上の前面道路がある場合の道路斜線制限はどう考えたらよいのか?
  3. 前面道路の反対側に公園がある場合の道路斜線制限はどう考えたらよいのか?

どうでしょう?
1つ目は、基準法上の道路の定義。
2つ目と3つ目は、道路斜線制限の緩和の話。

この3つの内容、法令集のどこに載ってるか、パッとわかりますか?
なんとなくあの辺?とかでも、思い浮かぶとよいなと思いますが…

というか。。。
私自身、あんなに学科法規の高さ制限問題が大キライだったのに・・・
1.25緩和なんか、記憶の彼方なのに。
(ありさん、その節はほんとにありがとうございます。。。)
このワタクシメが、ブログで高さ制限について解説することになろうとはー!爆


学科だけでなく、来年製図を控えてらっしゃる方も、ぜひ法令集を片手にお願いします。
高さ制限のうちの道路斜線については、しばらく法改正がなかったように記憶してるので、古い法令集でもオッケーす。

H30年製図課題の「歩行者専用道路」における、道路斜線(高さ制限)についての判断根拠とは。
◆基準法上の道路の定義=法42条第1項1号
→道路法における歩行者専用道路=道路法第48条の14第2項
道路法令Q&A 自転車道路等について

◆道路斜線=法56条第1項第1号
→道路斜線における二以上の道路に接し、又は公園に接する場合の法56条第1項第1号の適用の緩和に関する措置=法56条第6項
→二以上の前面道路がある場合=令132条
→前面道路の反対側異に公園がある場合=令134条

こんな感じですね。
これ以上は、微に入り、細に入り書きません。
H30年の製図課題における道路斜線、隣地斜線がどうなるのか、ご自身でご検討ください。
私もあとで、課題文みてやってみよう。

併せて、学科の方は、道路に関して、高さ制限に関して、過去にどんな出題か、ぜひともご確認を。
学科の高さ問題では、さすがに問題の前提となる「道路の定義」に関しての出題はないですけども…

ちなみに、ご質問頂いた某さんは、私の最初の返答でなにをどうすべきかおわかりになれたようで。
ちゃんと、法令集の該当箇所の写真を送ってきてくださいました!
グッジョブ!!!
そうでなくっちゃ。



5. まとめ

正直に申し上げると。。。
過去の出題課題で、道路斜線や隣地斜線が合否に関わったことって、あまり記憶にありません。。。
H20年辺り?の事務所課題で、たしかちょっと話題になったような・・・?
(合格したH24年来、製図課題については追いかけてないので、自信なし。)

て、ここまで書いて、そうくるかー?と思うと思いますが。
ははは笑

我ながら、すごいドンデンですけども。
私が言いたかったのは、判断根拠を大事にしてほしい、ということの他に、それって過去問でどう問われているか?ってとこまで調べてほしい、ということもありまして。
あえて、記事にしました。

今年カドで合格された枢さんが、H30年の製図課題で「そもそも南側道路の道路斜線を検討したかどうか」ということについて、今度のユープラ検証会でお会いしたとき聞いてみたいと思います。
(枢さん、読まれてましたらコメントくださいー!笑)



とはいえ、
遊歩道から主出入口をとっていいかとか、今年話題の「延焼ライン」における道路とは?ということもありますので。

「道路の定義」については、実務でも建物が建つかどうかの基本のキであるしで、少なくとも調べておく必要はあります。
そんでもって、来年、斜線制限を問われるような課題になるかもしれないし?
言った先から、ならなそうですな。笑

ま、せっかくなので、気になることは、時間に余裕のある今調べておくとよいかなと思います。


もうひとつ、H30年の製図試験の法規的に質問を受けたので、それはまた別記事に。

2 件のコメント:

  1. padmateaさん
    枢です。お世話になります。
    先日は大変有意義な時間を過ごさせていただきありがとうございました!
    呼ばれたので(笑)、コメントします。

    結論を言うと、南側前面道路の道路斜線は検討を全くしておりません。
    補足すると、条件整理してエスキスを進める段階で、南側は全く問題なさそうなことを察知してます。

    過去問から、高さ制限でこれから考え方を見たい建築物のボリュームを縛ることを、試験でやったことがほとんど(少なくともH22以降は)ない事。
    それをする場合は課題文にそれをきちんとヒントとして記載するであろう事。
    以上を元に自分で問題無いだろう、とあっさりと判断した感じです。
    練習課題で基本的に20mを超えるような高さで建物を作らないのも理由の一つです。

    こんな感じで大丈夫ですか?笑
    よろしくお願いいたします。

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    1. 枢さん
      コメントありがとうございます!
      記事にしようと思ってたら。笑

      充分すぎる回答で、ありがたいです。

      そうなんですよね、
      ウラ指導生は、斜線制限は気にせずやってると思います。
      しばらく過去問にないですものね。

      まぁ、余計な負担をかけずに製図の勉強するためにも、いつもウラ指導講師陣が言う「過去問の勉強」って大事なんだなぁと思いました。

      これから製図の準備される方が、
      この記事を読んで、少し過去問の研究をしてみようかなと思ってくださるといいなと思います。

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