「オストメイト」これ、ワタクシの脳みそには、設備機器のことを指すとインプットされてまして、なかなか記憶修正がきかない・・・
癌や事故などにより消化管や尿管が損なわれたため、腹部などに排泄のための開口部(ストーマ(人工肛門・人工膀胱))を造設した「者」のことをいう。
wikiより
あかんやつ。涙
改めて、「オストメイト=人工肛門をつけている人」のことですね。
この言葉、一度でも聞いたことがあるといいのですが・・・
建築業に携わる身として、なにができるかを考えてみました。
1. 一般的に、相当認知度が低い「オストメイト」というコトバ
一般的にもかなり認知度が低く、医療関係者でも、専門でない方以外は知らない言葉のようです。実は、三年前?ですかね?
国土交通省のバリアフリー設計基準が改定になった折に、旧友の整形外科医となにかの話で「オストメイト」の話になりまして。
医師なので、当然「人工肛門」自体は知ってます。
そらそうだー
でも、「オストメイト」という言葉自体を知らなかったです。マジか。
(ごめん、友人。ブログネタにしてw
医師の友人も、そのコトバを知らないことにびっくりしてました。笑
え?それ医療用語?
介護用語?
普段、お互いの仕事にほぼ関連がないので、込み入った話はしないのですが、この時ばかりはいろいろと話が弾みました。
ツイッターでも、「知らなかった」という声、多々。
やはり、多機能トイレをよく利用するお父さん、お母さんたちからの「あれはなに?」の声が多い印象です。
2. 多機能トイレの中で起きていること
さて。オストメイト(=人工肛門をつけている人)とは、どうゆう状況なのか?
多機能トイレ内で、どのようなことが起きているか?
どのような使い勝手、どのような動線を考える必要があるのか?
というようなことを認識する必要があるなと。
でないと、どんなにピカピカなトイレを設計しても、めっさ使い勝手の悪いものができるので。。。
その意味では、ついったーに投稿された、あすかわいさん( @88achi_8 )のアニメーションが、あまりにも秀逸でした。
コレ見たら、「オストメイト」の方の生態系?というか、多機能トイレ内での一連の行動が一発でわかります。
ぜひ、ご覧ください。
https://www.buzzfeed.com/jp/sumirekotomita/ostomate-animation
流れとしては、こんな感じですね。
1 がん等の病気で直腸や大腸が機能しなくなり、手術で大腸を切除するな、なるほど。。。
↓
2 排泄物を出すための人工肛門(ストーマ)をつける
↓
3 人工肛門(ストーマ)には筋肉がないため、排泄物を自分のタイミングで出すことができない
↓
4 出てくる排泄物を溜める専用の袋(パウチ)を人工肛門(ストーマ)につける
↓
5 シャワー付きのシンク(湯温調整付きレバーハンドル型混合水栓)で、立ったままパウチの中身の排泄物を流したり洗ったりする
- ストーマには筋肉がない
- 排泄のタイミングを自分でコントロールできない
- 立ったまま使用する
そうか、確かにあのシンクの周りに椅子なんかないし。。。
いやいやいや、待って。
そうすると、車椅子でストーマの人は???
シンクの位置が高くてさらにたいへんってこと・・・!?
介助ありき?
いろんなことがアタマをよぎりましたが。
元のついーとに対して、たくさんのコメントがついていていました。
やはり、「オストメイトって、全然知らなかった」が半分くらい。
「身近にオストメイトがいて苦労してる」が半分くらい。
- パウチから排泄物を捨てる・パウチの交換に、結構時間がかかる
- 汚物の漏れ・ニオイなどの苦労がある
- ガス(オナラ)でパウチがパンパンになる
- 一般の方の認識は「シャワーのついた設備」「トイレになぜシャワー?」で、シンクの使用用途がわからない
ここで、
多目的・多機能トイレがなかなか空かない問題、発生しています。
- 高齢者・障害者などによる車椅子利用者と介助者の同時利用
- 人工肛門造設者(=オストメイト)
- 乳幼児のトイレ・おむつ交換
- 乳児への授乳も?してる?
いずれにしても、どの利用者も時間かかるんですよね・・・
現状、条文では、多機能トイレは一つの施設で1以上、とかですからね・・・
そりゃ、混みますよね・・・涙
3.「手洗い用ではありません???」
ついったーでもつぶやきましたが、以下、個人的な体験です・・・某施設で多機能トイレに入ったとき(視察)。
シンクの脇についていた注意書きが目に留まりました。
「手洗い用ではありません」はい?
どこで???
一体どこで手を洗えば?
わ、わかりづらwww
知らなかったワタクシ、完全にアタマの中が「???」。
このオストメイト対応のシンクがですね、
めっちゃ使いやすい位置=出入り口のすぐ脇、にありましてですね、
このように「手洗い用ではありません」て注意書きが貼ってありましてですね・・・
しかも、振り返ると他にもたくさんのシンクたち・・・
「・・・。」
手洗っていいのはどれ・・・笑
写真撮ればよかったです。
「人工肛門用のシンクです」このように、具体的に書けばよいのでは?と思うのですが。
想像するに、多機能トイレを設計される方(各衛生器具メーカーさん含め)は、オストメイトの方の苦労に詳しすぎて、一般の方の認知が低いことに対する認知がないのかもしれません・・・!?
建築を専門とする人の中でも、「オストメイト対応設備」という建築用語自体、認知度が低すぎなのでは?と思うくらいです。
もう少し全体的に認知度が上がるまで、「オストメイト(人工肛門保有者)対応設備」とした方が認知が高まるような気がします。
↓この真ん中のピクトグラムとともに、ですね。
いやはや、
日本は、いろんなことに対して、ガラパゴス、ガラパゴス言われますけど・・・
バリアフリーのはずが、もはやトイレに入ること自体が複雑で難しすぎる気が・・・
とほほです。
私も、今後トイレの実施設計する機会があれば、気をつけたいと思います。
4. 「オストメイト」まとめ
- オストメイト=腸を切除し人工肛門で生活している人のこと。人工肛門や衛生機器のことではない。
- オストメイト対応のシンクは、パウチの排泄物を捨てる・パウチを交換する場所で、手を洗うところではないw
- 「オストメイト」の言葉に関して、建築設計者を含め一般の方の理解・認識は相当低い
- 旧バリアフリー設計基準で多機能・多目的トイレが混雑してしまう理由は、1利用者の利用時間が長い割に、便房数が少ない
ということで。
H28年にバリアフリーの設計標準が変更されているのですが、具体的にどんなか見てみようと思います。
つづき その2へ
0 件のコメント:
コメントを投稿