2013-04-20

行ったことがあるのに!!!-バシリカ・パラディアーナ

シリーズその2は、えーと、またもイタリアでございます。

その名も、バシリカ・パラーディアーナ。

これ、知っていて点とれた人いたんですかね・・・
H22年での出題なので、もう、試験会場で超悔しくて死にそうでした。


イタリアの、ミラノとヴェニスを結ぶ小さな都市、VIZENZA(ヴィゼンツァ)の街にある、パラーディオの作ったバシリカ、です。

これは、西洋建築に興味のない人は、とことん知らないかと。(私のこと)
22032
「バシリカ・パラディアーナ(A.パレディオ)」の建築様式は,バロック建築である.
これです。はい。


うわーーー
でたーーーーーー!
行ったことあるのにッ!!!

うーーーん?
あの建物はバロックだったけーーーーーー!?

という、ドあほぅ発言を、H22年試験の当日、机の前で。
悶絶しましたです。はい。

他の選択肢により、確かやっとこ選択できたものの・・・


うーん。
ナニを見に行ってきたんだ、私。

はい。
Vizenza。ヴィゼンツァ市。

もともと要塞都市だったようで、川をとりこんで、城壁があって、いい感じの中世都市っていう雰囲気。

一周するのに、歩いて半日、いや数時間もかからない、ほんとに小さな街です。

ここが、イタリアでも超ド級に有名な建築家、アンドレア・パラーディオが活躍した街。

というか、建築家という職業の発端になった人とも言えまして。
「パラーディオ形式」といった彼の手法による建物形態まで後世に伝わるくらい、西洋建築史の中では教科書的な、かなり影響のある方です。

日本じゃ、ほとんど知られてないかも?



で。
2008年にここをたずねた時、パラーディオ生誕400年祭をやってました。
この小さな街には彼の設計した建物が、20件近く?もっとだったかな・・・あるんです。


テアトロ・オリンピコ(やはりパラーディオ作、舞台装置が相当特殊な、とてもこじんまりとしたかわいい劇場)も、見る機会に恵まれました。

撮影禁止と言われて、泣く泣く撮らずに帰ってきましたが、ちょっと調べただけでもがんがん撮ってブログにアップしてる方がいる・・・
なぜ・・・涙

キリシャの野外劇場を、屋内にして、さらにプロセニアム・アーチを作ったと。


また、有名な別荘であるラ・ロトンダも、バスで5~10分くらい行った田園に。

どちらも世界遺産だと思いますが、ま、上記は試験に出ないので割愛。




話を戻しまして。

まさに、街全体が白い大理石による、美しいルネッサンス建築。
ルネッサンス建築と言えばフィレンチェ大聖堂ですが、ここヴィゼンツァも負けてません。
地元民は、パラーディオが作った上品な白い大理石による街が大好きで、めっちゃ自慢に思ってるそうで。


下記がシニョーリ広場とバシリカ・パラディアーナ。
グーグルストリートビューがいい感じで角度変えられたので・・・
広場と右の建物=バシリカ・パラディアーナの関係がわかりますでしょうか?

建物が大きくて、広場が少し狭めなので、なかなか全体像をつかみにくいのですが、この構図、魚眼ぽくていい感じですね。

ザンネンながら、行った時工事中だったので、私も仮囲いしかみてなく・・・
中にも入れず、涙を呑む始末。おおお・・・


この建物について、詳しくは、英語ですが下記。
http://www.museicivicivicenza.it/en/tbc/basilica_palladiana.php

要約すると、パラーディオが既存の建物にいろいろ追加したそうですが、外側の回廊の構造が難しくて、完全に改装し終わったのは、パラーディオの死後かなり経ってからだそうで。
The reconstructed building was called a basilica by Palladio himself, who had been inspired by the model of the Roman basilica for civic use.
古代ローマにまねて、バシリカと命名したそうで。
シニョーリ広場も、古代ローマから引用だとか。

元ゴシック、現ルネッサンス建築です。(しつこい)




まー
そもそもですね。
試験的に覚えておきたいのが、まずバシリカという言葉。

きちんと勉強が進んでる方は、あれ?と思うかも。


西洋建築史上のバシリカ、とは、2つ意味があるんですよね。
  1. 古代ローマにて、公共の建築物である裁判所や商取引所、公会堂的なもの。
  2. 1のバシリカから転じて、初期キリスト教徒が教会を建ててるときに、バシリカという名前を拝借した。バシリカ形式などといわれるけど、基本的に教会、の意。

さて。 バシリカ・バラディアーナは、上記2つのうちの「1」番。
 古代ローマで言う裁判所とか商取引所、会議場(政治用)、公会堂とかを指します。

パラーディオ氏には、ギリシャ・ローマとその建築への憧れとかが強烈にあったようですね。
この広場とバシリカ、という建物の関係もかなり密接で、ポルティコ(ポーチ、ピロティのような、回廊の意)から、広場を見下ろして演説ができるようになってます。

すなわち、広場から見た側が、建物正面。

15世紀のオペラ公演は、このバシリカ(公会堂)と、前出のテアトロ・オリンピコ(劇場)の両方でやって、人が入りきらなかった、という逸話が残っているくらい。



古代ローマに関わらずですが、建物のバルコニーとかに立つ指導者の話を、民衆は屋外の広場に集まって仰ぎ見ながら聞く、というのが、一般的なスタイルのようで。

かの、ヴァチカン広場とサン・ピエトロ寺院。
法王謁見の場が、ヴァチカン広場、なんですよね。


西洋の都市は、広場が中心といわれるゆえんです。
屋外の広場だと、大量の人が集まれますからね。


私がヴィゼンツァに行った時は、クリスマス当日。
みな、お祭りのように浮き足だってました。
 (いや、聖誕祭なんだからお祭りだって話ですが)。

そして、バシリカ・パラーディアーナ前のシニョーリ広場を埋め尽くす、クリスマスグッズを売る出店。

クリスマス明けて、翌日朝この広場を通りすがったら、出店は一掃されてましたので、さらにびっくり。笑



そう。
15世紀の当時も今も、この広場は街の中心的存在です。




まとめー

バシリカ、という意味が2種類あって、間違うとひどい目に遭う!笑

このバシリカは、ルネッサンス建築!


以上です~
超、ちょう、発散系の記事ですが。

まぁ、来年以降出るかどうかはわかりませんが、建築士としてとりあえず知っとけ、という話でした。
つづきます。

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