2012-12-15

Milton Keynes その1


"no building taller than the tallest tree"
「一番高い木よりも、高い建物は建てない!」

なんのこっちゃ?ですね。
22102
ロンドンの北方に位置するミルトン・ケインズは,イギリス最大級のニュータウンであり,近隣住区論による空間構成を忠実に具体化した計画案に基づいている.

答え ×

解説
ロンドンの北方に位置するミルトン・ケインズは,イギリス最大級のニュータウン(開発面積8900ha,計画人口25万人)であり,1969年に建設が着手された.近隣住区論に基づく固定的な構成を見直し,各種施設の利用や様々な社会組織の形成が柔軟に展開するような「オープンコミュニティの実現」を目指した住宅計画に特徴がある.更に既存集落との調整や建設過程への住民参加など意欲的な試みが行われている.(この問題は,収録過去問題に類似しない新出問題です.)



超、ちょう、覚えにくかった学科Ⅰ:計画の都市計画・・・


エベネザー・ハワードさんの明日の田園都市やら、近隣住区、ワンセンター方式、高蔵寺ニュータウンや多摩ニュータウン、東雲の高層住宅群の話やら・・・

どーーーしても覚えられなかったニュータウンの数々。

合格物語の付箋機能で、私としては捨て問題にすべきかどうかというデッドラインのオレンジ色や赤色をつけ、さんざん自動再出問題にしましたが・・・

最後の最後まで苦戦しました。






ということで(前ふり長い)。

ロンドンの衛星都市として開発された街を実際に見たかったので、行ってきました。


Milton Keynes。

邦:ミルトン・ケインズ(以下、ミルトン・キーンズ、またはMK)。

イギリス、最後で最大。

エベネザー・ハワード氏の The Garden City (=田園都市、の意)を実現する、イギリスで一番成功していると言われているニュータウンです。



行って、ほんとよかったです。

日本で思っていたニュータウン、のイメージとは、完全に違いました。

いや、完全でないかもしれませんが。

少なくとも、エベネザー・ハワード氏(英)の田園都市論と、クラレンス・A・ペリー氏(米)の近隣住区論の違いはわかるようになりましたです。

(低レベルーー笑)


以下、完全なる個人の旅行記です。笑



まず、着いて撮ったMK central station (鉄道駅舎) と、振り返って撮った広すぎる駅前広場

(こりゃーどこまで歩かされるんだろーーーという恐怖とともに・・・笑)




駅広の仕組みが、これまた面白い。

一番手前がタクシー&一般車両の乗降路。

バス停は行き先によって駅から離れる方向に、鉄道の線路と平行に並んでます。

その奥に自転車置き場。




上写真は、駐輪場。

手前の一通の道路と上家が、バス停。




実は、学術的なこと、政策的なこと、全体のマスタープランなど、全く無知な状態での訪問でした。

行くと決めたのも直前な上に、なぜか全く興味もわかず、行く直前にありさんにヘルプメールを出す始末。笑

教わったサイトのPDFを、ロンドンからの列車の中で、睡魔と闘いながら読む、読む、読む・・・zzz

(どれだけ興味ないんだっての。)

行けば興味が出るかと思って、半ば強制的に足を・・・






で、戻ってきて改めて調べました。

イギリスで一番成功した、と言われているそうですが、何よりも驚きだったのが・・・

いまだ開発途上で、人口が増えてる。


まじすか。

ごくごく一部しか見てませんが、ざっくり印象を。




★何もかもが、やたら広い


公園の中の丘から。

遠ぉぉーーーーーーーーーーくで、風車が5台くらい回ってましたねーーーー



・・・。

地平線、見えまくりです。はい。

多摩ニューで地平線?
(多摩ニューは、山に囲まれてるので、そもそも地平線の眺望は無理。あ、マンションの上階ならありか?)

広すぎて、広すぎて、ここがミルトン・キーンズです、という写真が撮りづらいです。笑


とりあえずMKのCity center map。

地図左側が鉄道駅、右側が公園。

街自体は、このCity centerの数十倍あります。




★開発面積がそもそもでかい

開発面積8900ha,計画人口25万人。

数が大きすぎて、感覚としてまったくわからないですねー


25万人って、政令都市か・・・

えっと、政令都市25万人以上で建築主事がいるんだったか・・・(基準法第四条)←もちろん調べた。

くらい。



8900haは、89,000,000m2=89km2・・・

以下、Wiki情報によると・・・

Milton Keynes : 面積 89km2、 人口密度 2,199人/km2

世田谷区 : 面積 58km2、 人口密度 15,250人/km2



どうです?

とてもじゃないですが、徒歩じゃ一周どころか、中心部であるシティーセンター一周もおぼつかない(無理むり)。

1kmグリッドで、街がかたまって計画されていますが・・・

City centerと呼ばれるエリアだけでも、2km×3kmくらい、すなわち6グリッドくらいありそうなイメージ。

要するに、歩き向きの街ではないつうことです。わかりきったことですが。


City Center、街の中心部を紹介する路上地図です。

地図下側が鉄道駅、上側が公園。

ここ最近、開発が進んでて、City Centerには高層の建物が増えてます。

資料読むと、ざっくり、70年代に開発に着手、80年代に官公庁が移動、90年代に建物が高層になって、新しい企業も参入してきてるとのこと。




★完全なる歩車分離。

以下、City Centerの様子です。








近年高密度になったシティーセンターですら、建物の面積以上に駐車場が占める割合がやたら多かったです。

完全に、車社会ですね。




特筆すべきは、道路に横断歩道線のシマシマや、ロンドンでもよく見る止まれ!などのサインが、ほとんどない。

私が行った範囲(半日歩きまくったのですが、全体からするとほんとにわずかな範囲)の道路と歩道は、すべて立体交差となっていて、歩行者が車道をくぐる形になっています。



しばらく街にいると、どこが横断歩道なのかわかるようになりました。まる。



上の写真、左側の上家のところが、横断歩道。

道路反対側に見えている建物まで行くのに、道路沿いの広い駐車場からこの上家を目指していくと。

ようやく道路を渡ることができます。笑





★交通渋滞なるものが、ほとんどない。


幹線道路は、高速道路(イギリスは高速道路は全部無料す。)みたいな幅で、恐ろしい勢いで車が飛ばしてました。


ラウンドアバウト(信号のない交差点)があるせいで、車の流れはスムーズ。

信号もないし、1kmおきにラウンドアバウト、ですから。

途中はひたすら走るだけです。

横切る人も、側道をふらつく自転車もいない。

車走行は、相当楽そうでした。


なお、重要な建物、病院や大学、学校等は、全体でMK市内に分散してるとのことで、渋滞カンワに一役買っているそうです。




★ロンドンまで鉄道で1時間ちょっと

ロンドンまで電車で30分、でした。失礼。

私が各駅にのってしまったので、1時間くらいかと。笑


イギリスの鉄道料金は、時間帯によって値段が変わる仕組みなので・・・

私は早朝便、といってもロンドン9時出発で、13ポンド(レート140円前後)でした。

往復だと、多分もう少し安くなります。



通勤やら一日出張でロンドン往復するのに、ちょうどいいでしょうか?

着いた日、MK central 鉄道駅のチケット売り場は、朝から行列・・・

行ったのは11月の末、平日でしたけど、あれが日常の風景なんでしょうか。わかりません。



多摩ニュータウンも、東京まで1時間ちょっとですしね。

同じくらいでしょうか。


違いといえば、ミルトン・キーンズは、ロンドンのベッドタウンでなく、街自体で雇用が成り立っているそうです。

150近い企業があるとのことです。あのゆったりした風景の中に・・・

開発当初、150近い企業が。
現在は1000社を超える企業があるそうで。


あのゆったりした風景のどこにそんなに・・・
それだけあれば、雇用も成り立ちますし、まさに理想の職住接近ですね。

ヒースロー空港へも、車で1時間足らずとのこと。
ロンドン市内を経由せず行けるはずです。


大きな地図で見る

その2につづきます・・・

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