「普請」、ふしん、という文化、和風建築の伝統的な価値を語るにおいて、内田先生がお話された内容のうちのごく一部をピンポイントで切り出してます。
なお、
日本の建築と言っても多種多様すぎてアレですし、今日の会場には学生からその道のプロの方までいる中でお話するのもとても難しいですが・・・、と前置きされていらっしゃいました。笑
(会場でも笑いが起こってました)
木の材料のどの部分を使うのか、それとも大工の技巧をいかに魅せるのか、
そういったことに端的に特徴が現れるのが、書院造り、数寄屋造りである、とのお話でした。
1 木という材料の話、木造の話
ハナからハナシは飛びますが。私が、一級建築士の構造だか施工だかの問題で、一番キライな暗記項目が「木表」「木裏」の問題。
いや、暗記しないでおぼえられたらいいんですよ、ふつーにね(棒読み
木裏、木裏は、どちらが乾燥収縮が大きくて凹に反るか・・・?えぇい、どっちがどっちやねーん。
(構造16225, 26271, 29271)
鴨居、敷居に、どの面を使うといいのか・・・?
(施工19163, 24153)
(興味がないのですぐ忘れる
いや、超、基本的な内容ではありませぬか?
日本人として知っとけやー!的なヤツですけども。
ちなみに、「板材の樹皮側を木表,樹芯側を木裏」さえ覚えたらオッケなんですよ、それが覚えられないんですが。(しつこい
※以上、すべて合格物語より引用です
木造、ほんとにわからんのです。(しつこい
これが、明治以降の「建築教育」のナレハテなわけで、日本人のくせに伝統的な木造建築がわからないわけですが。
私自身、よくもその口で日本建築史専攻だったとか言えますな、って感じなんですけどね。
ともあれ、
そんなこんなな建築教育の結果について、内田先生のお話をざくーっとまとめると。
端的な例として、大空間を構成する(洋)トラス構造で、「鉄骨トラス」の代わりに木材を使ってる建築を見かけると。
「木材の使い方は果たしてそれでいいのか?それなら鉄骨トラスの方がいいのでは?と感じる」とのことでした。
現代の木造は、鉄骨の考え方から来ていると。
(洋)トラスを構成するのであれば、鉄骨の方がより優れるのに。
そこに木を使うとは・・・と。
暗にそうおっしゃっておられました。
2 書院造りの木材の使い方
日本独特の木材の使い方の例として、書院造り、数寄屋造りを挙げられていました。まず、書院造り(計画18102, 25174, 11254, 11255, 16225)。
天皇のお住まいである御殿:京都御所や、武家屋敷など。
こんな感じです。
床の間の正面から写真撮りたかったっす。泣
はい。
去年行った、名古屋城の本丸御殿(もちろん復元)の写真です。
ザ、家康好み。
バーン!
きんきらー
で。
正面左に床、右に違い棚。
左面の開口に付書院。
(↑の四枚目が、付書院の廊下側から撮った写真)
出題でもある、本勝手(ほんがって)ってやつですね。
この独特な空間に使われる木材の特徴として。
こんな感じ。
- 柾目であること、というか柾でないといけない。
- 節がないこと。
- 材料がきちんとしていること。
- 正確さ、精巧さを愛でる
もうね、名古屋城の本丸御殿行きましたらね、この木のつるつるすべすべ感をですね・・・略
この柾目材が、書院造りのキモだと。
書院造りは、使われている柾目材の目の細かさで優劣がつくと。
階級を付けやすいものです、と。
柾目の説明についても、
丸太から芯の方に近い方がいいんですが、あまり近すぎても節があるので、切り出して使えるのは、ほんとに一部です、とのことで。
どうでしょうか。
書院造り、本勝手。
試験にて覚えられそうでしょうか?
名古屋城本丸御殿の床の間の松は、正面左側だったなーてな感じで。
アレが本勝手かー
ちょっと探せば、古めな建物にて、「床、違い棚、付書院」的な三点セットの書院造りな建物があると思いますので、機会あれば実物をば。
名古屋城の復元も、ぜひ機会あれば。
うおー
やっぱり家康はきんきらと漆の黒好きで下品だなー(コラ
木材は反ることを考慮の上で施工、ということで。
木表、木裏くらいは、ほんと、いい加減覚えなさいよ、ということだそうです(試験的に)。
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