さて、書院造りときたら、もう一つ。
現代「和風」建築にも、相当な影響を与えている、数寄屋造り。
これがまた、書院造りと木の使い方が対照的と。
3 数寄屋造りの木材の使い方
侘び寂びの極地と言われる数寄屋造りも、書院造りと平行して現代の住宅に未だに影響しているものですが。一方で、数寄屋造りはというと。
ご存知のように、床柱に凝る、ひたすら凝る、というのが私のイメージ。
凸凹の節だらけの柱、とかですね。
そうゆうご説明くるかと思いましたが。。。?
内田先生は違った。
そこじゃない。
床柱の説明は、皆無(単に省略されただけかと)。笑
- 節は個性、あった方がよい(エクボと表現されてました)
- 板目も密にこだわらない
- 大工仕事の技巧は、見えなくしてしまう(隠す)
- ひかりつけ、という技巧
とくに丁寧に解説されたのが、ひかりつけ、という技巧。
ひかりつけネットで検索すると、ひかりつけの説明は、大方こんな感じでした。
丸太を丸いまま使い、土台の自然石の凸凹に合わせてぴたりと加工する大工技術
先生は、どちらかというと、柱の足元でなくて梁と桁の接合部の部分の説明に使われてました。
丸太と丸太の仕口。
この、円の曲線と曲線との接合部をいかにきれいにするか。
茶室って数寄屋造りと、またちょっと目指すところが違いますけども、
名古屋城つながりで、公園の中に、茶人古田織部好みの茶室が復元されていますので、丸太を加工する技術「ひかりつけ」の参考にちょっとだけ。
こんな感じです。
第二次世界大戦の名古屋空襲で焼失後、復元された茶室です。
茶室にも、「床、違い棚、付書院」の三点セットはつくんですよねー
この話は大事なんですけどまた別で。
- 手間のかかる大工仕事を愛でる
- 板目の表面をわざわざはつって凸凹にする
- 極めつけは、皮つきの丸太をひかりつけている(ご紹介された建物をメモできず)
- 数寄屋造りの極意は、大工技術の見せつけ!笑
内田先生は、さらっとご説明を終わらせていましたが、
こういったところに価値を置くのが、数寄屋造りとのことでした。
確かに、丸太。。。と。
無知のワタクシは、茶室でそんなことを考えたこともなかったす。
同じ建物を見ても、見てるところが全然違うという衝撃でございました。
伝統大工技術に全然関心がないと、こうゆうことになるのだなー
ちなみに、合格物語で「数寄屋」と検索したら、ゼロ件でした。
アレ・・・笑
4 木の使い方についてのまとめ
書院造り、数寄屋造り、と、内田祥哉先生のご講演のごく一部を元にブログにしてみましたが。木の使い方からして、「好み」が全然違うぞと。
格式を重んじる書院造り。一級建築士で、伝統的な建築様式である数寄屋造りついての出題がない理由も、少しわかったような気がします。
天皇や武将のお住まいで、柾目の精巧さ、正確さを愛でる。
一方で、茶室に源流をおく数寄屋造り。
野に生きる木をそのままに、大工技術を重ねる。
木造や大工技術について、明治以降の建築教育では、ほとんど触れることがありませんので。
そういった流れの上の一級建築士試験であれば、なるほど納得です。
講演会を聞いたあとは、あたまパンパンでしたけども。
改めて、調べながらこうやって、ブログに書くと、めちゃくちゃ勉強になりますね。
試験とは、ちょっと離れる部分が大きいとは思いますが、記事にしておきます。
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