2015-10-17

耐火、防火の話 その4

耐火、防火の話 その1

耐火、防火の話 その2 

耐火、防火の話 その3 からのつづきです。

てことで、問題を解くときの着眼点についてウラ指導の法規の講師ありさんから教わったことをつらつらと書いてきましたが。
いい加減結論。笑

記事その1で引用したブログ防耐火を学ぶの視点にも絡んできますが。
耐火性能:ある一定時間「倒壊及び延焼を防止する」性能
準耐火性能:ある一定時間「延焼を抑制する」性能
そもそもどんな火災に、建物のどの部分が、どのように対応するのか。
以上のような視点で、条文を眺めると、耐火、防火の話が整理されてくるのかなと思います。
以下、試験元より引用いたします。
〔N o.1〕 次の記述のうち、建築基準法上、誤っているものはどれか。

1.耐火建築物における外壁以外の主要構造部にあっては、「耐火構造」又は「当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えるものとして、所定の技術的基準に適合する構造」のいずれかに該当するものでなければならない。

3.建築物の周囲において発生する通常の火災による延焼の抑制に一定の効果を発揮するために外壁に必要とされる性能を、「準防火性能」という。

この平成27年法規1問目の問題。
答えは、1でした。

せっかくなんで、どうゆう文言だったらこの選択肢1は◎になるか?を一連のシリーズの終りとしたいと思います。

ちなみに、この手の耐火建築物の問題、頻出なんじゃないかと思います。
※合格物語のソフトで「耐火建築物 周囲」と検索! ⇒ 結果はご自分で!

ワタクシ、ここまでガッツリ記事にしといて、ここで初めてゴウモノ検索して気が付いた・・・ガックシ


気を取り直しまして。
選択肢1は「耐火建築物の」とあるので、法第2条9の2号。

この号も結構ボリュームあるので、さらっと読むと読み飛ばしちゃうけど・・・
重要なことが、条文内にギュウギュウ詰まってます。


まず、そもそも、ここまでたどり着けますかね。
法第2条第9の2号 耐火建築物
次に掲げる基準に適合する建築物をいう。

イ その主要構造部が(1)又は(2)のいずれかに該当すること。
 (1) 耐火構造であること。
 (2) 次に掲げる性能(外壁以外の主要構造部にあつては、(i)に掲げる性能に限る。)に関して政令で定める技術的基準に適合するものであること。
   (i) 当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。
   (ii) 当該建築物の周囲において発生する通常の火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。

ロ ・・・略
イ、にそれらしきことがー
てことで、問題文には「外壁以外の主要構造部は、~~とする」とありますので、イを読んでいきます。

「イ 主要構造部が、(1)又は(2)のいずれかに該当すること。」ときて。

(1)の耐火構造は、スルーで。
選択肢1の問題文もそう書いてありますし。

お次。
はい。
(2)の「(外壁以外の主要構造部にあっては(ⅰ)に掲げる性能に限る。)」

ここですね。
この条文、こんな風に読みます。
・外壁以外の主要構造部(屋内部分)は、(ⅰ)のみ適合させる。
・外壁は、(ⅰ)と(ⅱ)両方に適合させる。
読むと、(ⅰ)は「屋内において発生が予測される火災による火熱」とあるわけです。

そりゃ、そうですよねー
外壁以外の主要構造部=建物内部、だから。
「建物内部は、屋内で発生するだろう火災の火と熱に耐えなさい。しかも、その火災が終わるまで。」

じゃ、(ⅱ)は?
ここで出てくる「周囲」の字。
周囲で発生する火と熱に耐えなさいと。同じく、その火災が終わるまで。」


すなわち、「耐火建築物の外壁は、屋内と周囲で発生する火災の両方から生き残れーーー!燃え尽きちゃダメダーーー!」ということですね。
文字で書くとそうゆうハナシです。


てことで。
耐火建築物の外壁以外の主要構造部は、法第2条第9の2号イ(1)「耐火構造」又は(2)(ⅰ)「当該建築物の構造、建築設備及び用途に応じて屋内において発生が予測される火災による火熱に当該火災が終了するまで耐えること。」のいずれかに該当するものでなければならない。

こうならないと、正解になりませぬ。

どうでしょうか。
ダイジョブでしょうか。


ついでですが。
選択肢3についても、外壁について聞いています。

以上のような内容を把握していると、「周囲」の文字と、「準防火性能」がどうゆう状況にて求められる性能か?というのを理解していれば、問題は◎!とわかります。

これについては、こまごま説明はしませぬ・・・


以上のような視点で、問題を眺めてみると、法令集を開かずとも回答可能なのです。
選択肢1は、平成18年の問題と一字一句違わぬカコモンというオチ付きで・・・

(おわり)

4 件のコメント:

  1. TOTOです。
    毎回、受験生にとって良い(とっても参考になる)ブログありがとうございます。
    問題に取り組むときの姿勢をあらためて確認することができました。
    少しづつですが、前に進んでいきます。

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    1. TOTOさん、マイド、コメントありがとうございます!

      わかりやすいかどうかはわかりませんが、私も書きながら、あーそうだったよねーという発見が毎回あります。
      法令文は大量にあるし、隅々まで覚えてられないし。
      大枠の原則だけ覚えてて、その都度詳細を調べては思い出すようにしてます。
      ほんと、きちんと記憶してないと間違いやすいし。

      耐火・防火の話も、丸々文章記憶する必要なんかないし、
      さくっと法令集開いて中身確認してしまってくださいね!

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  2. こんばんは。
    奥の深い内容なので、じっくり考えさせられました。
    こんな風に理解できたら、分かりやすいテキストとかいらんっス。

    よい記事をありがとうございます。

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    1. まっくすさん、お疲れ様です。
      コメントありがとうございます!

      この辺、もはや、法規というより日本語の読解力か!?という感じですが・・・
      やみくもに読んでても眠くなるだけなので。

      条文の文章 ←→ 問題 ←→ 実務で関わる実際の建物

      この三つをいったりきたりしながら、体得していててくださいませ。
      私もまだまだトンチンカンなもんで、がんばります。

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