2011-12-12

力学-全塑性モーメントと偶力モーメント

お次は、全塑性モーメントいってみますか。


全塑性モーメントの範囲でやってることをまとめると。
・ある部材にモーメントがかかった時の、部材内部に発生する力について着眼。

・基準軸をはさんで、引張力と圧縮力が同体積で逆向きに発生し、その応力中心間距離をかけたものがモーメントとなる(偶力モーメント)。

・具体的に、部材内部に発生するモーメントの大きさは、偶力モーメントの算出方法である、引張力×応力中心間距離、または圧縮力×応力中心間距離で計算できる。
これって公式だし、機械的に計算するときにはいいですよねーーー

しかーし。
もう、全塑性モーメント、と聞いた瞬間に、構造アレルギー発症
なんら難しいこと言ってないはずなんですが・・・


あと、偶力モーメントも。
一昨年か去年のゴマさんの講習会で初めて聞いて、わからなかったんでスルーしてたんですが・・・
先月の静定・不静定の内容と、今回の全塑性モーメントを講習会で聞いて、ようやくわかりました。


1 偶力モーメント

では。
先に偶力モーメントいきますかね。

単体(?)のモーメントは、あるひとつの力があって、そのモーメント量は『その力の大きさ×距離』で表せる。
矢印の向き↑×ある点までの直行する距離。

一方、偶力モーメント。
平行する上向き矢印↑と下向き矢印↓が対で働いてる状態。
そのモーメント量は、『片方の力×その二つの平行する力の中心間距離』で表せる。


この違いを、知りませんでしたねー
大学でもきっと習ったんでしょうけどね。
覚えてません(授業料放棄)。


2 建物が崩壊するまでの動向

ようやく全塑性モーメント、といきたいところですが。

その前に。
この講習に出た成果として、自分なりに、崩壊するまでの建物の動向を、改めて書いて見ると。
1 建物に(水平なり垂直なりの)外力がかかりました。

2 部材が、引っ張られたり押されたりして変形します。このとき部材は、応力度σ=ヤング係数E×ひずみε(フックの法則)という弾性比例状態にあります。

3 さらに大きな外力をかけていきます。

4 部材がさらに変形して、元の部材の形に戻れない変形状態となります。別の言い方をすると、部材は弾性限界(降伏点)を越えて塑性変形(降伏状態)となります。この弾性限界のときに部材にかかっているモーメントを、降伏開始曲げモーメントと言い、そのときの応力度を降伏応力度σyと言います。

5 さらに大きな外力をかけていきます。

6 これ以上変形できない!という状態(全塑性状態)になると、応力が集中する部材端部に塑性ヒンジ(自由に回転する状態)が発生し、建物は回転して崩壊します。このときの荷重を崩壊荷重と言います。

どうでしょうか。

これ書いてて、調べたりもしましたけど、少し、全塑性というコトバが、自分のものになった気がします。


3 全塑性モーメント

というわけで。
★降伏開始曲げモーメントM
・引っ張ったり圧縮したときに、元の形に戻れるぎりぎりの時=弾性限界の時のモーメントのこと(上記4の状態)。
・具体的に、発生する引張力(または圧縮力)の大きさは、三角錐の体積=部材幅×縁距離×降伏応力度σy×1/2。
・上記に応力中心間距離をかけると、降伏開始曲げモーメントが求まる。

★全塑性モーメントMp
・塑性状態の最終形である、建物が崩壊する際のモーメントのこと(上記6の状態)。
・三角形の比例状態を保っていられないので、応力縁に沿って四角形となる。
・具体的に、発生する引張力(または圧縮力)の大きさは、四角錐の体積=部材幅×縁距離×降伏応力度σy。
・上記に応力中心間距離をかけると、全塑性モーメントが求まる。
うーん。
この書き方が、わかりやすいかどうかは「?」。笑


ともかく、弾性状態のモーメントは三角形、全塑性状態のモーメントは四角形。
あとは、応力中心間距離をかけるだけ、と。

同じようなことが、合格物語のWeb講義の全塑性モーメントの箇所にもありますので(逃げ)。笑

あと、軸力とモーメントが両方かかった場合に、全塑性状態でどうなるかは、あちこちで解説がありますので、さらに略。



まぁ、なんていうか。
モーメントがかかると、部材内部でこんなことが起きちゃってるのね!
ていうのが、単純な感動だったりしました。

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