http://realtime-earthquake-monitor.bosai.go.jp/
TVからも、完全にぺちゃんこになった建物がつぎつぎと・・・
それどころか、土砂災害も・・・
見ているのがシンドイので、別なことしています・・・
ところで、
まだ少し余裕のあった昨日の段階ですが。
エキスパンジョイントがぱっかーんしてたマンションはともかく。
静岡の方が、九州の地震地域係数Zにびっくりしていました・・・
静岡の地震地域係数 1.2気になって少し調べました。
(現在行政指導 → H29年4月より県条例化)
九州の地震地域係数 0.8 (一部 0.9)
1 地震地域係数(全国区)
建築基準法のツリーは下記。建築基準法施行令第88条 地震力で、
→ 地域係数Zの定義
→ 「昭和55年建設省告示第1793号」
施行令第88条、いわく。
Z その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値実際の数値は告示に規定されているのですが、青本でも法令集には載っていません。
(少し前は載ってたのに・・・)
2 告示の実際の数値
告示の調べ方は以下。http://wwwkt.mlit.go.jp/notice/dispAction.do
「告示番号または文書番号」の「第 号」のところに、告示の番号「1793」と入力して検索。
又は、Googleで「地震地域係数」と検索すると、たくさん出てきます。
この機会に、建築基準法施行令88条と、自分が住んでいる地域の地震係数がいくつに設定されているのか、確認されるとよいかと。
以下、告示の抜粋。
昭和55年建設省告示第1793号この告示自体、用事がないと(?)なかなか見る機会ないですけど、東京は(1)の1.0です。
建築基準法施行令第88条第1項、第2項及び第四項の規定に基づくZの数値、Rt及びAiを算出する方法並びに地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する基準
建築基準法施行令第88条第1項、第2項及び第4項の規定に基づき、Zの数値、Rt及びAiを算出する方法並びに地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が指定する基準をそれぞれ次のように定める。
第1 Zの数値
Zは、次の表の上欄に掲げる地方の区分に応じ、同表下欄に掲げる数値とする。
(1) (2)~(4)以外
(2) 数値 0.9 対象地域 ・・・略
(3) 数値 0.8
北海道のうち 一部(略)
山口県
福岡県
佐賀県
長崎県
熊本県のうち 一部(略)
大分県のうち 一部(略)
鹿児島県(名瀬市及び大島郡を除く。)
(4) 数値 0.7 沖縄
ひとまず、標準てことですね。
3 静岡県の姿勢に学ぶこと
静岡県では、長いこと地震地域係数が1.2=行政指導でした。H29年4月から、条例化=義務化するとのことです。
https://www.pref.shizuoka.jp/kenmin/km-320/kensasitu/joureikaisei.html
以下は、静岡県建築構造設計指針・同解説(2014年版)-PDFの「2-10」ページより抜粋です。
2.5.2 静岡県地震地域係数(Zs)この内容に続く(解説)を読むと、静岡県として地震地域係数の数値1.2以上を採用することになった経緯が書かれています。
静岡県地震地域係数(Zs)は、全域1.2以上とする。
ただし、発震機構や伝播機構を考慮した詳細検討により当該地域の地震動が推定可能と判断される場合は、1.0以上の数値で適宜設定してよい。
ざーっくり要約すると、(H26年=2014年の時点で)県内全域で震度6以上が想定されるため、規定を見直したとのこと。
また、静岡県のサイトの最新情報によると、平成29年4月から地震地域係数1.2以上を県の条例にする、とのことです。
この、静岡県の地震地域係数1.2、構造設計の方からすると「常識」なんですよね。
でしょうけど、近隣で住んでないと知らない。
私も、以前担当した物件が静岡でなかったら、知らなかったと思います。
逆に、静岡県にて業務したことがある方からすると、他の地域の係数を知ってびっくりするわけですよね。
え?
0.8とか、0.7(沖縄)とかアリなの?
と。
もちろん、先の(解説)によると、品格法の等級によって1.2以上が設定されている場合は、この限りではない、とのことです。
というわけで。
周辺の地域からすると、この静岡県の1.2の条例化というのはちょっと異常?とも思えるではありましたが・・・
こうも頻発する地震に対して、果たして異常と言えるのか・・・
個人的には、東京、ほんとやばくない?です。
4 まとめ
地域係数の定義自体は、さきほども引用したように、「過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて」となっています。ということは。
果たして、過去の記録が残ってない地域=地震が少ない地域と言えるのか?ということですよね・・・
記録が残っていたとして、人口が集中していた場所だったり、言い伝えが残っていたりする程度だろうと思うのです。
他地域の取り組みから学べ、です。
私も今回、地震地域係数が制定された経緯を調べていて、学ぶことがありました。
意匠設計者としても、構造設計の方に構造設計を丸投げ(!)するのではなく、こういったひとつひとつの係数や数値の採用について、きちんと一緒に検討していく必要がありますね・・・
今からでも。
おまけ
調べていて、受験生時に熟読していた株式会社ストラクチャーのコラムを見つけました。※2011年東日本大震災以降だいぶ整理されたようで、見られないページもあります・・・
→一部書籍化されてるようです、廃盤かなぁ・・・
連絡してみようと思います。
http://www.structure.jp/
ホーム画面の一番下に「コラム」欄があるのですが、構造のアレコレに関していろいろと掲載されていたのでよく読んでました。
ひとまず、上記の内容に関連したものを抜粋してリンクはっておきます。
(私も、今慌てて読んでます・・・凹)
地震地域係数の謎
http://www.structure.jp/columns/column13.html
震度7について考える
http://www.structure.jp/columns/column18_1.html
ともあれ、
現在頻発している揺れと雨が、早く落ち着くことを願います・・・
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追記です。
今回の地震に限らずですが・・・、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
この記事を書いた時点ではあまり深く考えていなかったのですが。
基準法の不備だとか、国や自治体の怠惰だとか、そういったことを指摘しようと考えていたわけではありません。
今ある制度が、どうゆう経緯でできあがったものかを知る努力と、それを踏まえた上での日常業務への誠実さを怠らないようにしようと思っている次第です。
悪しからず、ご了承ください。
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