2025-01-04

建築行政又は指定確認検査機関等での勤務経験ゼロの人のための一級建築基準適合判定資格者検定対策 その3

その1 でもざっと書きましたが、参考図書等をこんな感じで収集・活用しました、というのをもう少し加筆したいと思います。


その3 目次

6.建築基準適合判定資格者の手引き(日本建築行政会議)
7.過去問10年分のデータ
8.友人からお借りした資料一式
9.ICBA 令和6年度建築基準適合判定資格者検定受検講習会(オンデマンド講習会)
10.建築行政又は指定確認検査機関等での勤務経験ゼロの者による10年分の法改正対応法
11.番外編 国立国会図書館の活用


6.建築基準適合判定資格者の手引き(日本建築行政会議)

ICBAで毎年発刊されている「手引き」には、以下が掲載されてます。
・制度の概要
・検定の解説と出題傾向
過去5年分の解説
・付録:過去2年分の答案用紙
・付録:関係条文
令和2年度版手引き(令和元年~平成27年)
⇒ 受検を決意した令和6年2月の段階で、ICBAで売っていた「手引き」の一番古いものを購入。この「手引き」にある令和元年~平成27年の考査Aから解き始める。

・最新版の令和6年度版手引き(令和5年~令和元年)
⇒ 発刊日である、令和6年5月7日に、ICBAのオンデマンド講習会のテキストとして購入手続き。テキストだけ先に送ってもらって、届いた段階で令和5年~令和2年の考査Aに着手。

・(手引きなし)平成25年と平成26年
⇒ 令和6年7月の時点で、国土交通省サイトに、考査A問題、考査Bの問題・建築計画1、建築計画2の図面は公表されていました。
二冊の手引きでは足りなかった考査Aの解説については、友人の講習会資料にて完結(後述)。
考査Bの解答は、7月半ばに国立国会図書館にて複写しました(後述)。

以上で、10年分の解説をなんとかかき集めることができました。汗

いや、過去問は7年分くらいでいいだろう、という話もあります。実際、法規塾主催の慶さんのブログでは、考査Aは5年、できれば8年、考査Bは近年3ヵ年分?え??とありますし、、、
その辺りは、ご自身の検定までの持ち時間、能力に合わせて選択されるとよいかと。
私自身は、以下にも書きますが、がんばって10年分を集めてよかったです。


7.過去問10年分のデータ

国土交通省サイトで、過去問10年分のデータがDLできるのですが、、、
実は、ここには大きな落とし穴が、、、汗

公表されているのは以下。
考査A:問題
考査B:問題、建築計画1・建築計画2の略設計図
以上。
えッ?
解答は???

はい。 解答の公表はなし、なんです。
唯一、合格発表のある当年の考査Aの解答のみ公表はあるんですが、、、10年分はない。なにゆえ、、、涙

ということは、
考査Bについては、設問(審査対象項目)が書かれている答案用紙が公表されていません、、、

すなわち、国土交通省サイトでいくら過去問をDLしようとも、考査Bは何を審査すればよいのかわからない!答えもわからない!という状態なのです、、、汗
一級建築士の製図の過去問のように、せめて答案用紙も一緒に公表してあればよいのですが、、、号泣

ということで、
考査Aの解答、考査Bの設問と解答について、1.の「手引き」を見る必要があります。
もし、検定の受検を考えているのであれば、なにはともあれイの一番に「手引き」を手に入れることをオススメします。

なお、その1 でも書きましたが、なんか建築士の知識を解説するやつさんのブログで平成24年からの考査B 設問(審査対象項目)を公開していらっしゃるようなので、ご参考まで。


8.友人からお借りした資料一式

・写真左:友人のまとめノート
⇒ 検定の要領、考査B時間配分、当日起床~さいたま会場までの時間管理、考査B計画1・計画2・計画3ごとのまとめと模試等の間違い確認事項などなど
考査Bの時間配分とか、さいたま会場までの時間管理とかは、書いてある通りにしましたw
考査Bのまとめたものは、解答文を短くする時にかなり参考に致しました。

・写真中:講習会資料考査A
「① 過去の出題傾向とアドバイス」
⇒ 全体の傾向を述べたもの

「② 考査A過去問題集-平成17年~令和元年まで-」
↑ 過去問の1問ごと一問一答
平成30年改正箇所が赤黒で書かれている

⇒ 友人が受講した講習会開催当時=令和2年6月の段階での最新法令に更新済みの資料で、17問×5選択肢を1問ごと一問一答でまとめなおされたもの
法規塾主催の慶さんのブログでは、考査Aについて「単元ごとに問題を並べ替えた自作テキスト」作成を勧められていますが、私の場合は、この資料で足りたのでやっていません。
考査Bをやっている間、この②をバラして通勤電車内で一巡。
この資料がなかったら、10年分の法改正の対応にかなり時間がかかっていたと思われますので、ほんとにありがたい限りです。(詳細は後述)

・写真右:講習会資料考査B
「① 考査B計画1・2を解答するための手順書」
「② R1年(考査B計画1・2)を解答するための具体的手順」
⇒ ①②は、必要なところを読込み

「③ 令和元年、平成30年問題・解説」
「④ 考査B建築計画3」
⇒ ③④はほぼ使わずです、、、笑


9.ICBA 令和6年度建築基準適合判定資格者検定受検講習会(オンデマンド講習会)

高い受講料払ったものの、危うく活用できずに終わりそうになりつつ、、、汗
なんとか検定日一週間前に模試形式で解いて、総ざらいした内容になります。
上記、オンデマンド講習会の案内より引用
【解説コース】2024年6月3日(月)~8月29日(木)
【演習コース】2024年7月1日(月)~8月29日(木)
【セットコース】
   解説講義:2024年6月3日(月)~8月29日(木)
   演習講義:2024年7月1日(月)~8月29日(木)
以上の3つのコースと、あとそれぞれテキスト付かテキスト無か、から選びます。
テキストは、令和6年版手引き。
テキスト発刊が5月7日で、申込みを5月7日にしましたので、先にテキストだけ送ってもらいました。

値段は高いし、評判は???でしたので悩みましたが、セットコース+テキスト付、の全部ミコミセットにしました、、、
高かった、、、涙

しかーし、大枚叩いた割に、オンデマンドの動画は結局一回も見れませんでした!爆
動画解説苦手なんです、、、
わかってます、受講する意味がない。苦笑

ただ、8月の最後一週間で、PDF資料である「考査A・B、構造の解説、演習の問題・解説」には、すべてにダダーーーッと目を通しています。
友人の講習会資料と被らないところ、特に最新の法改正内容の確認はガッツリ活用しました。

危うく高い受講料が全部無駄になるところでしたが、個人的には無駄ではなかったです。
どんな資料も、使い倒せるか無駄にするかは、自分次第だなと、、、
日本建築行政情報センター ICBA 講習会からどうぞ。


10.建築行政又は指定確認検査機関等での勤務経験ゼロの者による10年分の法改正対応法

これまた参考になるやら、、、ですが、記録しておきます。

3.でも書きましたが、問題は「手引き」に書かれた ↓ これ。
※法令は、検定実施当時(各年の1月1日現在)の条文番号を記載しています。
です。はい。
手引きの解説は、各年とも検定実施当時のものであること。例えば、令和3年の問題であれば令和3年1月1日施行の法令に則った条文番号、となっています。

これのなにが問題かって、
すなわち、条ズレや改正前の内容を、どうにかして改正後に翻訳する必要があること、ですね、、、
各年の問題・解説が最新の法令に合わせた内容になっていない=建築行政又は指定確認検査機関等での勤務経験ゼロの者にはツラいところ

3.で書いたように、私の場合は、たまたま当資格保持者である友人がいて、その方が受験生時代に受講された講習会の資料=令和2年6月の段階での最新法令に更新済みの資料を回してもらえたのでなんとかなりましたが、、、
手持ちにそういった資料がない場合は、なんらかの方法で各年の手引きにある問題・解答を最新の法令に翻訳する必要があって、、、
そういった資料が手に入らない場合、受検のハードルがだいぶ上がってしまうかもしれません、、、汗

この辺りが、建築行政又は指定確認検査機関等での勤務経験ゼロ、なおかつ、確認検査等の実務経験ゼロだと、だいぶ不利かなと、、、
周りに近年の合格者がいない、最新の法令に準拠した資料を回してもらえないので、勉強するうえでつまずく大きな障害になるかなーと思います、、、

解決法といえば、、、
・どうにかして近年合格者と仲良くなり(苦笑)、その方から資料を借りる
・メルカリ?でそんな資料あるのかなぁ、、、
日本建築行政会議の当検定対策講習会の門戸が、一般の一級建築士にも開放されることを祈る、、、他ないですね、、、凸メールする?

なお、最後の最後でわかったのですが、ICBAオンデマンド講習会の内容も、国土交通省が公表している過去の検定問題10年分について、全部の解説があるわけではなかったです。
が、
当然ながら、ICBAオンデマンド講習会の資料自体は、全部最新のものに更新されているので、それを勉強のメインに据えてミッチリやるのも、一つの案です。


以降、私が法改正関連で注意していたことを列挙しておきます。

平成24年一級建築士合格時から現在までの改正分
⇒ 仕事で扱っていない部分の法改正の内容は、一級建築士の定期講習で多少知識があるものの放置してあったので、これを機に一気に脳内更新。

平成30年法改正分
⇒ 法21条、法27条、法61条に関連する条文群は、毎年必ずなにかしら出題されるし、今後ますます木造推進の方向なので、、、やらないわけにはいかない。
友人の講習会資料の赤黒部分を読み込んだり、法→施行令→告示の順で条文を要約してみたり、がんばって理解に努めました。

令和4年法改正分
令和6年受検の際は、そこまで支障にならなかったですが、、、
令和7年で改正分が完結するので、これから受検される方は改正前後の法令集を買っておくのもありかなと思いますが、、、 要らないか。汗

ただ、ひとつ懸念事項が。
一級建築士の試験を統括している建築技術教育普及センターより、令和6年一級建築士製図試験の合格発表と同時に、令和7年試験の適用法令についてお知らせがありましたので、一読しておかれるとよいかと。
去年と同じであれば、令和7年4月1日に当検定の受検要領が公告されると思いますが、このお知らせと同様に、一部令和7年1月1日施行の法令でなく、令和7年4月1日施行の法令が適用されることが考えられるので、要注意です。
令和 7年(一級・二級・木造建築士試験、建築設備士試験、インテリアプランナー試験)試験の適用法令について
https://www.jaeic.or.jp/shiken/Laws_Regs_2025_Exam.htmlより引用

令和7年試験の適用法令については、次のとおりです。
適用すべき法令については、令和7年1月1日現在において施行されているものとします。ただし、「脱炭素社会の実現に資するための建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律等の一部を改正する法律(令和4年法律第 69 号)、同法の施行に伴う関係政令の整備等に関する政令(令和6年政令第 172 号)及び同法の施行に伴う国土交通省関係省令の整備等に関する省令(令和6年国土交通省令第68号)」に基づく法令の規定については、令和7年4月1 日現在において施行されているものを適用するものとします。

以上です。
またなにかあれば追加いたします。


11.番外編 国立国会図書館の活用

ここで突然ですが、7月の半ばの話。
友人の講習会資料の「考査B 道路斜線の解説文」に、以下の文章と、友人の字で「H25年、必ずやること」と書かれているのを発見
平成25年の出題では、前面道路の反対側に公園があり、公園の反対側までの幅が道路幅員にプラスされることになる。この場合、公園がある道路の幅員のほうが狭かったが、公園も含めるとこちらの方が広くなり、広い方の道路が2Aで緩和された。これは、また出題されることもあるので、過去問題をよく勉強されたい。
そして、、、
↑ 友人のまとめノートに貼られた
「H25年 必ずやる 公園」の黄色い付箋

むむ、平成25年、、、
手元にある手引き(令和2年版、令和6年版)に載ってない、、、
過去問をよく勉強されたい、と仰るわりに、講習会資料に平成25年の問題・解説は含まれていない、、、汗

しかし、国土交通省サイトの過去問題10年分には、平成25年は含まれるし、、、(令和6年7月当時)
そういえば、令和5年一級建築士製図試験で、隣地境界線の北側に公園がある敷地で、北側斜線問われてた、、、
北側道路斜線、北側斜線、公園緩和あるなし、もしや狙われやすい!?
手引き、平成25年の解説が載っているものを入手しようと、ネット検索するも、売り切れ、在庫なしの連発、、、
困ったなぁ、、、

あ、そか、図書館で調べる?
地元図書館、当然所蔵なし

カーリル検索、、、
建築基準適合判定資格者の手引き (平成25年度版)」、、、
近くに所蔵している図書館がない、、、涙
都内の大学図書館とか、建設産業図書館とかにはあるようだけど、、、

国立国会図書館サーチ」の文字が目に入る、、、!
えーと、国会図書館か、、、
うーん、、、
まぁこの際だから永田町(国会図書館)行くか、、、(これはネタになるやつwww
てなわけで、前川國男氏設計の国立国会図書館を堪能しつつ(?)、手持ちの手引きになかった平成26年、平成25年の解説部分を複写してもらいました(有料)。
この建物、院生時代に資料収集に行って以来ですが、相変わらずかっこよかった。感動。
こうゆうときに国立国会図書館を活用したらよいのね案件でしたw

ちなみに、令和6年考査B、建築計画2の敷地は、北側の前面道路の反対側が水路になってまして、第9問目で問われた「北側高さ制限」については、慌てずに済みましたw
答え合わせしたら、正答はバツだったので、無事正解できた模様です。
永田町の国立国会図書館まで行った甲斐ありましたです!笑


以上が、資料収集方法と活用法でした。
これから受検される方の参考になればと思います、、、(なるのか?) その1 にて
0.令和6年現在 私の略経
1.資格の概要
2.参考図書等
3.参考スケジュール

その2 にて
4.考査Aの対策
5.考査Bの対策

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