2020-02-15

令112条竪穴区画の防火設備を忘れるとどうなるか。

昨日、ツイッターのタイムラインを賑わせた話題ですが・・・

指定確認検査機関等の処分について
大手さん含めて、9つの審査機関が処分の対象になってまして、年度末も相まってもろもろ影響が大きいために、わちゃわちゃしてるかと思います・・・


この件でツイートされてる方は、主に審査員をされている方が多かったですが、今日落ち着いて処分の内容みて驚愕しました・・・
見逃しミスの多いワタクシ、震え上がってます・・・

もしかすると、令和元年10月、12月の製図試験で、防火区画の取り締まりが厳格化された理由?がここにあるのかもしれません、くらいに、重大な話ではないかと思われるからです。
もちろん、これは私の完全なる憶測ですが・・・



1. 『法第 36 条に基づく令第 112 条第9項の規定に適合しないこと』

http://www.mlit.go.jp/report/press/content/001328791.pdf

こちらの別紙PDF、一度、ご自分で確認されるのが一番だと思うのですが。
別紙に書かれた文字で、一番多い内容が『令第112条第9項』。

通称、竪穴区画ですね。
H30年の改正で、現在は条ズレしてて令112条第10項になってますけども、それは置いといて。

しかも、この竪穴区画の規定見逃したのが1件だけでない上に、2つの審査機関が処分対象となってます・・・

こっわ!
めっちゃ、こっっわ・・・(x_x;)


いや、
竪穴区画ですよ?
めっちゃ有名な、一級建築士なら誰でも知ってる規定ですよ?
しかも、1件だけじゃないんですよ・・・

これって、こんなありふれた(?)、みなが知ってる規定なのに『審査の方すら見逃す』ということではないかと思って、私自身、ほんとに震え上がってます・・・


以前から言ってますが。
私自身、延焼ライン内の防火設備を書き忘れ、建具表も一般の扉にしてしまって、確認申請時に指摘受けて撃沈したことがあるので・・・
他人事でない・・・



2. 竪穴区画の処分の詳細

『法第 36 条に基づく令第 112 条第9項の規定に適合しないこと』の、各詳細は以下。

  1. 1階から3階に通ずる階段の部分において、当該部分とその他の部分とを防火区画していなかった
  2. 屋外階段に面した開口部が、防火設備ではなかったため必要な区画がなされていなかった
  3. 当該建築物内の2階と3階を接続する階段において、階段の部分とその他の部分とを準耐火構造の床若しくは壁又は法第2条第九号の二ロに規定する防火設備で区画していなかった
この他、通称スパンドレルと呼ばれる、旧令112条10項、現令112条15項の違反の見逃しも処分されていますね・・・


令和元年に製図受験された方・・・
思い当たる節があるのではないかと思います・・・
試験で「丸防」1ヶ所描き忘れたくらいで!
厳しすぎる!
いやいやいやいや・・・
これが現実なんですよ。
防火設備が一つでもなかったら、こうゆうことになるってことですよ・・・
試験だから失格で終わるけど、現実問題としたら大問題になるってことです。


これって、確認申請を出した側の設計者も、いずれ処分されるのではと思いますが、どうなんでしょう?
内容によっては、工事監理者・そのまま施工してしまった施工者も処分される可能性大ですね・・・
罰則規定読んでませんが・・・
ひぃぃ・・・
です・・・



3. 他山の石

竪穴区画以外の処分の内容です。
  • 法第 19 条 敷地の衛生・安全違反
  • 法第 54 条 外壁の後退距離違反
  • 法第 56 条の2 日影規制違反
  • 旧法第 64 条(現法61条) 準防火地域内の外壁の開口部違反
  • 法第 68 条の2 地区計画等の区域内での特定行行政庁認定受けず容積率オーバー
  • 令第 114 条 長屋の各戸の界壁違反
  • 令第 128 条 敷地内通路違反
  • 都市計画法第 53 条 都市計画施設の区域内の許可違反

都市計画法第53条許可に関しては、建築基準法違反でもありますが、都市計画法の方からも罰則がある???かもしれませんね・・・


令和元年の製図試験でもチェックされている、敷地内通路や、延焼ライン上の防火設備設置(旧法64条)などもノミネートしてます・・・


なんか、本当にびっくりします。
ありふれた規定なのに?
ありふれた規定だからこそ?見逃しやすい内容、ということでしょうか・・・?



いや、まじで他人事ではないです・・・
一級建築士か二級建築士、木造建築士かわかりませんが・・・
資格者が設計して、審査の方が見て、それでも見逃すってことですよ?


法令遵守・・・
日常業務で、申請業務は担当していませんが・・・

ボリュームチェック時だって、ミスはあり得る。
ヒューマンエラーはなくならないものとして、私個人としても何度も何度もチェックして、ほんとに気をつけたいと思います・・・

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